権利擁護センターの折川です
とても嬉しい出来事があったんです
長文ですが、ぜひ読んでみてください
令和4年6月30日(木)に、振込詐欺(還付金詐欺)を防止した功績が認められ、東広島警察署長から表彰していただきました
私は、令和4年5月16日(月)15時過ぎに、権利擁護センターの業務中に立ち寄ったもみじ銀行高屋支店にて、還付金詐欺の現場に遭遇しました。
もみじ銀行高屋支店には、2台のATMが横並びにあり、仕切りなども無いため、隣の様子がよくわかる状況でした。
権利擁護センター利用者のお金の出金を数名分続けて行っていると、隣のATMに携帯電話で通話しながら、焦った様子で操作している高齢女性の存在に気付きました。
その女性はとても上品な佇まいで、騙されるようには見えない、というのが第一印象でした。
しかし、ハンズフリー通話をされていたので通話内容が聞こえ、警察や市役所で見聞きした還付金詐欺の手口、教科書通りと言える内容であったため、自身のATM操作を中断し、様子を伺うことにしました。
女性:「次は何をしたらよいのですか?」
詐欺:「ATMの画面の右上のを選択してください」
女性:「振込とありますが?お金が返ってくる手続きをしているのでは?」
詐欺:「これが還付に必要な手続きなので、安心してください」
女性:「次の画面になりました」
詐欺:「では、三菱東京UFJ銀行の・・・(振込先を選択するよう指示)」
女性:「次の画面になりました」
詐欺:「まず、還付手続きをするために必要な、識別番号を入力します。数字の9を押してください」
女性:「数字が金額欄に入りましたよ?」
詐欺:「大丈夫、識別番号ですから。続けて、還付金額の24,300円を入力してください」
女性:「入力しました。これで良いですか?」
社協:「何かお困りのことが無いですか?(詐欺師に聞こえるように大きな声で声掛け)」
女性:「ありがとうございます。ATMの操作は不慣れで。今、電話で教えてもらいながら市役所からお金が返ってくる手続きをしているんです・・・あれ?電話が切れてる。まだ操作が終わっていないのに。」
社協:「私の勘違いならごめんなさい。私は社会福祉協議会の職員です。先ほどの通話の内容から、還付金詐欺ではないかと心配してお声を掛けました。電話相手の方と、どのようなお話をしたのか教えてもらえますか?」
このような状況で詐欺を未然に防ぐことができました。
女性からお話を伺うと、次の手順とわかりました。
@市役所の職員を名乗る男から、健康保険料の還付金があると、固定電話に電話がかかってきた。
A還付金が24,300円あると言われ、還付手続きの為に三菱東京UFJ銀行の行員から電話があると言われる。
B10分後に三菱東京UFJ銀行の行員から固定電話に連絡が入り、今日中でないと手続できないと急かされる。焦らせることで、冷静な判断能力を奪う。
C三菱東京UFJ銀行の手続きが出来る、もみじ銀行に着いたらフリーダイヤル「0386 016 626(フリーダイヤルっぽく区切っているだけで、東京の電話番号)」に電話するよう指示される。
Dもみじ銀行に到着すると15時を過ぎ窓口が閉まっていた。行員に聞くのを諦めフリーダイヤルに電話する。
Eこの先の流れは上記の通り。
こうして手口についてお話をした後、我に返った女性が強い恐怖心を抱き始めたため、世間話をして落ち着いてもらいました。その話の中で、女性がとても聡明な方で、詐欺の情報やその予防法についても触れる機会が多い方とわかり、
改めて、詐欺はどんな人でも被害に遭う危険性があると、痛烈に再認識させられました。
この経験の通じて、自分自身が一番感じたことは、
詐欺かも!と思っても、止めるために声掛けをすることは、なかなかできない
ということです。
「自分の勘違いであったらどうしよう。相手の方にとても失礼になるのではないか」
こう、思い悩みましたが、
「自分の勘違いであったなら、誠心誠意謝ろう。本当に詐欺であった時の被害に比べたら悩んでいる時ではない」
と思い、お声をかける決心がつきました。
未然に防ぐことができ、本当に良かったです。
そして、こうした情報発信から、次の未然防止に繋がれば幸いです
それでは
東広島警察署 中道弘志署長(右)より感謝状を受取る
同時期に詐欺を防止した3事業所の方と記念撮影
頂いた感謝状
posted by 東広島市社協 at 17:57|
地域福祉課スタッフより